ある先生と、食事介助の専門はどの職種なんだろう・・
と話題になりました。
思えば、病院では一般的には看護師や看護助手、ワーカーさんが行っていることが多く、
施設でも、やはり介護職員、看護師を中心に行われているように思います。
以前勤めていた病院では、
重度な嚥下障害者へは、STやプライマリナース、管理栄養士(私)とで分担し、
1日1回確実な評価を行いながら介入したうえで、
ある程度機能的に安定してきたら、ワーカーさんに落としていました。
実施している職種=経験は多いが、正しく出来ているかどうかはまた別であり、
やはりある程度知識をもって評価する眼が必要だと思います。
「たかが食事介助、されど食事介助」というほど、実は奥が深いものであり、
食事介助の一口一口が評価の時間となり、
かつ本人にとっては食べ物を使った大事なリハビリテーションの時間です。
そして、それを生かすも殺すも、介助者次第・・・。
今日も、ある施設で、
どうしても口唇閉鎖できず、お茶などの水分が飲ませにくい、と
後ろから手を回し、顔を挙げさせて一度吸い飲みで口の中にお茶を注いでから、
開口したまま嚥下反射を誘発するという介助法を目の当たりにし、
頬の内側に吸い飲みを入れ、顎を引いたまま介助すると
しっかりと口唇閉鎖し、飲み込む様子がみられました。
また、別の方では、噛まない噛まないといいつつも、
実はミキサー食を上手に舌を動かし、飲み込めているという状況。
介助者のスプーンを口に入れるタイミングが悪いために、
すすり食べにもなっていましたが、
介助法のポイントをお伝えすると、全くすすり食べはなし。
先日お邪魔した倉敷での介護保険セミナーでは、
「どれだけ栄養が必要で、どんな食形態が適切か、ということだけではなく、
提案した食形態を、実際にどのように食べられるか、
食べさせるところまでみせて、初めて管理栄養士の仕事は完結する」
と熱く語ってきました。