神奈川県高齢者福祉施設協議会の主催で、
調理職員対象の研修会を行いました。
参加者は施設の厨房に勤める調理員や栄養士。
研修会は、午前・午後の1日研修でした。
午前中は、摂食・嚥下の基礎知識と嚥下調整食についての講義。
いろいろなところで嚥下関連のセミナーはありますが、
調理員さんたちが参加しているということはあまり見かけません。
そのため、調理員さん向けに、
嚥下の基本や食べるプロセスの確認をし、
それに対応した嚥下食の特徴についてお話しました。
午後の実習は、ミキサーを使ったもの。
スベラカーゼ粥や鶏団子のムース、
ほうれん草のミキサーかけ、味噌汁のとろみの比較など
少し実験的な内容も盛り込みました。
最後には少しグループディスカッションの時間もとれ、
参加者同士で、現状の確認や課題の改善などにつながるような話し合いもできました。
話の中でなんどか繰り返したこと。
それは、調理員もチームのひとりであるということ。
介護や看護職、管理栄養士から食事のオーダーが入ったからといって、
そのまま受け身で調理をするのではなく、
調理師という専門性を生かし、調理の視点から提言できることや
厨房の仕組みを作り上げることなど、
また、常に利用者さんのことをイメージしながら調理するということを
お伝えしました。
参加者の方の表情も明るく、また熱心に話を聞いてくださり、
よい雰囲気だったなぁと思う一方で、少し残念なことも。
それは、調理の基本である調味料の計量が不十分であったり、
調理員として食品衛生の基本であるエプロンや三角巾を半数以上が持ってきていなかったこと。
調理実習のある研修会で、エプロンや三角巾をもってこないってどういうこと?
手洗いをせずに、調理に取りかかるってどういうこと?
施設での給食管理の質の低さを目の当たりにし、
直営であれ委託であれ、システマチックに仕事をしていくことの大切さを改めて感じました。