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2011年 06月 20日
『ご家族から連絡があり、今朝ほど亡くなられたということです。』
少し前まで口から食べていた方が、誤嚥性肺炎で入院となり、 経口摂取は厳しいであろうということから、入院先で胃瘻を勧められましたが、 それを選択せず、在宅生活に戻ってこられました。 在宅に戻られたこの方のサポートでは、 在宅医、訪問看護を中心に、 当初から管理栄養士が関わらせていただくことになりました。 少しでも口から食べられればと退院直後から毎日の訪問看護の中で、 tryされたようですが、熱発したりとなかなか状態は不安定。 口腔内は、歯牙の欠如がかなりひどい状態で、 ぐらぐらの歯牙を触ると、出血がかなり出、痛みもあるようです。 急きょ、歯科往診を依頼しましたが、 その日は、体調不良が重なり、治療は実現せず。 一時的に末梢からの静脈栄養に頼り、立ち上がりを期待しますが、 それでも厳しい状態でした。 介護者も「家に帰ればなんとか食べられると思っていました。 まさか、こんなに食べられないとは・・・」 主治医とのコンタクトも頻繁に行われ、 状態を確認しながら、それでもわずかでも口から食べることの可能性を探ってきます。 いまでは最後となった訪問では、咽頭のクリアランスもよく、 覚醒していれば、反射的に数口はゼリーが食べられるかも・・ という状況になり、少し試しましたが、ご本人の覚醒が立ち上がらず、断念。 こんなことを繰り返しながら、 奥様から、 『この人、ほんとに食べること大好きだったんですよ。』 と聞かされ、私はなんのために今ここにこうしているのだろう、 と、少し迷いが生じ始めました。 きっと、この状況で彼が回復するのはかなり厳しい。 そして、味わうことの目的は、栄養補給ではない。 だったら、反射的に飲み込めた、ということではなく、 ほんの一瞬でも、「おいしい」と感じることができるかどうかではないか・・。 その後、奥様とはいろいろな話をしました。 戦争に行かれた経験があること、 いつも人が周りに集まってくる方であったこと、 郵便配達の方も足を引き留め、お茶をしたりしていたこと等。 そして、遺影にしようと思っている写真も見せていただきました。 その日の午前中、覚悟を決められた奥様は、美容院にも行かれたとのこと。 『だって、きれいにしておきたいじゃない!』 そんなふうに笑って語られた奥様は、私はとっても素敵だと思いました。 管理栄養士が、短期間の介入で、 これだけいろいろなことを感じ、また介護者ともいろいろな話ができることって それほど多くはありません。 亡くなった後ではなく、生前にこうやって本人を目の前に いろいろはお話ができたことは、私にとってもとても大きな財産です。 『素敵なご縁をいただきました』 とご本人、ご家族に感謝をし、訪問看護とバトンタッチし、帰路につきました。
by peach-atsugi
| 2011-06-20 05:21
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