「私の施設は委託だったから、献立とかよくわかりません。」
「身長とか体重とかわからないと、低栄養の判断がつきません。」
我が耳を疑うような話が飛び込んできました。
災害支援での管理栄養士の言葉だといいます。
そんなことで、災害時の栄養ケアができるわけがなく、
なんとも悲しい話です。
NST、栄養ケアマネジメントと栄養管理の重要性が言われてきましたが、
と同時に、給食マネジメントの重要性についても
繰り返し伝えてきました。
どんなにアセスメントができ、素晴らしい栄養プランを立てられても、
適切な食事を提供できなければ、全く意味がないということです。
この大震災で、濃厚流動食がない、栄養補助食品が足りないと話題になっていますが、
ここにきて、私たち管理栄養士は、
栄養管理と称してこれら市販食品に頼りすぎていたのではないか
と思うようになりました。
商品が手に入らなければ、濃厚流動食の代わりに手作りで濃厚流動食を作る、
高栄養プリンがなければ、栄養たっぷりのプリンを作る、
これができて、初めて栄養管理ができていると胸をはれる気がします。
もちろん、現場の被災地では、十分な食料もない中での状況ですので、
代わりに何か作る、といってもそれも容易ではないことは事実です。
では、被災地以外では、どうでしょうか。
ある程度、物流はすすみ、ガソリンの問題も解消されています。
節電対応はあるものの、通常通りの業務ができているのではないかと思います。
そんなときにこそ、
濃厚流動食や栄養補助食品の応用、手作りなどの試作をしたりして備え、
自分のスキルを増やすしておく必要があるように思います。
そういう意味では、検査データも何もない中での栄養アセスメントや
限られた食材の中での食事作りなど、
在宅で仕事をする訪問栄養士のスキルは、災害支援では非常に大きく、
その力を発揮すべき時だと思います。