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2010年 12月 02日
厚木保健福祉事務所主催の「糖尿病指導者研修会」に参加しました。
講師は、東京医科歯科大学の新田浩先生。 糖尿病と歯周病との関連が注目されてもうずいぶん経ちますが、 内科系の先生方とともに研究をされており、少しずつエビデンスを構築されています。 45歳以上の歯の喪失の70%は歯周病が関連しているとし、 歯周病と関連した疾患は、 脳・心臓血管疾患、糖尿病、細菌性肺炎、慢性閉塞性肺疾患、 高脂血症、低体重早産など、 一方で、歯の喪失により 低栄養状態、骨粗鬆症、誤嚥性肺炎、認知症、平衡感覚の低下、ADLの低下などを あげていました。 日本糖尿病学会の治療ガイドにも、糖尿病の合併症として 1)網膜症、2)腎症、3)神経症、4)足病変に次いで、5番目に歯周病が入っています。 歯周病の患者さんは、糖尿病になる割合が3倍であり、 血糖コントロールが難しいというデータから、 糖尿病は歯周病のリスクファクターであり、 歯周病は糖尿病のリスクファクターであるとお話されます。 高血糖状態は、 白血球の機能異常からプラーク細菌の増殖につながり、 単球、リンパ球の過剰反応からIL-1β、TNF-α等が上昇し、酵素酸性、組織破壊がおき、 結合組織や血管は、コラーゲンの産生抑制、血管の肥厚・硬直が治癒の遅れとなり、 歯周病の発症や悪化を招きます。 歯周病の治療が、インスリン抵抗性の改善に関連しているらしい、 というところまで分かってきたそうです。 いくつかの事例を紹介してもらいながらお話しくださいましたが、 歯科からの視点が多く(当然でしょうが)、 治療経過の中の、服薬や運動療法、食事療法がどのように変化しているのかなど、 具体的にもう少しそのデータの背景を確認したいなぁと思ってしまいました。 歯周病には、口臭や出血、痛みなど様々な口腔内感覚の変化が見られます。 この症状が出た時点で食生活や食行動には影響が出ているのではないかと思われます。 治療の経過とともに、食生活がどんなふうに変化してきたのかなど また違う視点で追っていくと、新たなエビデンスが構築され、 摂食・嚥下以外の歯科と栄養のコラボができるのではないかと思います。
by peach-atsugi
| 2010-12-02 06:54
| 研修会
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