あるブログで、リハ医が自施設の嚥下食を紹介していました。
その中で、ゼラチンゼリーが離水するということ、
ミキサー粥は温度により物性が変わる、ということが気になっているようでした。
ところで「離水」には、表面離水と内部離水があり、
表面離水とは、ゼリーなどのカップを開けた時に
ほんの少しこぼれる液状のもの。
内部離水は、食べている途中で水気が出てくるもの。
離水の原因には、ゲル化濃度、温度、形態などが影響します。
また少し違う視点では、
お粥を食べていて、唾液のアミラーゼで分解してしまい水っぽくなる現状・・・
これも離水ですね。
さて、ゼラチンゼリーは・・・というと、ほとんど離水はせず、
上記の表現は間違いで、この現象は「溶解」しているという状態。
そして、ゼラチンゼリーの「溶解」の原因は、温度です。
ゼラチンゼリーはクラッシュさせても再結合する特徴もあり、プルンとまとまります。
(ずっと昔、ゼラチンゼリーを室温放置し、
自然に溶解しながら茶こしに通るような装置を作り、再結合を楽しんだりしました!
遊びの実験です。)
また、とろみ剤を高濃度で調整し、
私からしてみればベタベタの状態を作っているにも関わらず、
それを「ゼリー」と表現し、学会発表している管理栄養士。
「ゾル(exとろみ状)」「ゲル(exゼリー状)」は異なります。
嚥下食に関わるようになった時は、調理学関係の書籍を引っ張り出しながら、
こういった基本的なことは再度確認したものでした。
嚥下食は、こういうひとつひとつの理解が、
正しい使い方につながるのではないかと思います。