ある講演でご一緒させていただいた先生から、
市民講座のご依頼をいただきました。
ある学会で企画されているその市民講座では、
生活習慣病について、多職種がシンポジウムのような形で講演を進めるのだといいます。
以前、私の話を聞いてくださり、
「普通に栄養士に頼んでも、話がつまらない。
患者をドロップアウトしてしまうだけだ。
でも、あなたの話は面白かった。
あなたに断れたら、栄養士の枠をなくそうと考えている」
とまで、言っていただきました。
以前、伺った先生のご講演では、
いつも患者さんのニーズを確認し、患者さんの目線で治療をされておられるのが
非常に印象的でした。
先生は、大学の名誉教授との肩書きをお持ちであり、
肩書から変な先入観をもってしまっていた自分にかなり反省したのを覚えています。
しかし、このときも先生の栄養士に対する仕事の印象は、
かなり厳しいものでした。
地域でも、ずっとネットワークを作って、患者さんたちをサポートしてきた。
なのに、どうして栄養士は患者さんに寄り添ってくれないのか・・・。
今回の『ドロップアウト』とともに、厳しい言葉だと思いました。
なぜ、栄養指導は効果的ではないのか。
いわゆる従来の指導型の栄養指導を指しているのでしょう。
単に栄養素や食品の話をしていても、だめ。
患者さんに寄り添い、しっかりと話を聞き、
その生活背景や価値観、人生観まで丸ごと受け止められる栄養指導でないといけないのでしょう。
そうなると、「指導」ではなく「支援」「相談」業務となりますね。
他人事ではありませんね。
医療でも介護でも、栄養士のスキルアップが求められています。