スイカがおいしい季節になりました。
介護予防の栄養講座では、決まって最後に脱水予防のお話のついでに、
スイカと塩の話をします。
K(カリウム)いっぱいのスイカに、塩(Nacl)をかけ、
甘みを増しつつ、よい水分と電解質補給にもなりますものね。
こんなスイカですが、
実は咀嚼や嚥下困難者にとっては、ちょっとやっかいな果物なんです。
嚥下障害者には、むせやすい果物の代表選手です。
少し専門的な話題になりますが、
液体嚥下と咀嚼嚥下は異なっています。
もぐもぐと咀嚼しながら、ジュっジュっと果汁が出てくるスイカは、
この果汁でむせてしまいます。
デイサービスのイベントで、スイカ割りを企画したりしますが、
常食の人でも、スイカだけはグレーゾーンの人がいるんですよね・・・。
一方で、まだ月例の小さい子供たちにも、ちょっと苦手なんです。
子供は、正常に発達していれば、おかあさんの胎内にいるときに、
すでに嚥下反射を獲得します。
(ごくごくと羊水を飲んでいますものね)
だから、嚥下障害者のように、果汁でむせることは少ないのですが、
舌で押しつぶす咀嚼様の動きを中心にしているときには、
この果肉は、ボソボソしていて、口に残ってしまうのです。
1歳半くらいでも、咀嚼が下手だとスイカの果汁だけ吸って、
果肉はベーっと出してくる子がいます。
子供たちがスイカをおいしく食べるには、舌を使うだけではなく、
しっかりと奥歯で噛む、この動きが必要なようです。