ある利用者さんのカンファレンスがありました。
関わり始めて数年ですが、
介護者のキーマンが娘さんから息子さんに変わったということもあり、
各職種ともに、実は初めて介護者とお会いすることになりました。
誤嚥性肺炎で入院、胃瘻造設後、お楽しみ程度には経口摂取を進めてきましたが、
ゼリーやプリン程度までしか進めていない現状です。
しかし、胃瘻栄養により、かなり体力がつき、寝たきりだった身体機能は大きく改善し、
現在は見守りで歩行できるまで回復されています。
まだまだ聞き取りにくい部分はありますが、コミュニケーションもとれ、
活動性も高くなってきたことはとても評価すべきところですが、
一方で、誤嚥性肺炎のリスクが低いわけでもなく、
今後の経口摂取に関する取り組みには、賛否両論がありました。
単に経口移行といっても、その目的には
1.経口から栄養をしっかりとり、胃瘻注入の回数を減らす
2.お楽しみ程度は変わらないが、食形態をアップする
と、あります。
当然、1も2も達成できればよいのでしょうが、
それが望めるようなレベルではないとき、
私たちは、その方向性についてとても迷います。
本人は、どうしたいか、
介護者はどうしてほしいか。
ここで、しっかりと向き合えればよいのですが、
忙しい介護者だと、なかなかすれ違いで、
ゆっくり時間を取って話すことが難しい場合もあります。
今回の事例はまさにそのような状態であり、
ケアマネジャーを中心に、介入している多職種は、どのように介入していくべきか
かなりの時間を費やし、ディスカッションしてきました。
介護者がご本人の今の状況をどれだけ把握しているだろうか、
と不安に思いながらの面談であり、
結果、率直にいろいろ話し合えたことで、
今回ようやく直接介護者の想いを確認することができ、
少し方向性が定まったかなというところです。
どのように利用者、介護者と向き合うかという点で、
とてもよい経験になりました。