最近、複数名の管理栄養士の栄養ケア計画を見させていただく機会がありました。
どの栄養士も、栄養スクリーニング、アセスメントとまとめてあり、
そこから栄養ケアプランを立てているようでしたが、
どうも、私はそこからその「人(利用者像)」がみえてきませんでした。
言葉は適切かわかりませんが、
書類は、監査資料のようにまとめられており、正直つまらない印象です。
意見を求められて、率直にそう答えました。
いろいろ話を聞いてみると、
それらの栄養士に共通していたのは、
毎日の経過記録がない、ということでした。
毎日、ユニットに食事を見に行っているのに、
そのときにどんな様子だったのかの記録がない。
「頭の中に入ってます」
と答えた人もいましたが、
私だって、有料の高齢者施設などで複数人を同時にみるようであれば、
メモを持参し、かつ戻り次第記録しないと忘れてしまうのに、
本当にしっかりと覚えているものでしょうか。
月2回の在宅訪問栄養指導とは異なり
毎日毎食情報を得られる環境を最大限生かしていないなぁと残念でした。
正直、栄養ケアマネジメントを進めていく中で、
おそらく毎日の経過記録では、食事摂取量やその様子、
排泄の状態、他職種からの評価や介入など、いろいろな事項があり、
ここに一番時間は割かれるのではないかと思います。
なのに、それをしないで、よく利用者情報が頭の中に入ってくるなぁと思ってしまうのです。
なにも入所者全員の記録を毎日書きましょう、ということではなく、
個々の状態により、モニタリング期間も2週間、1か月、3か月とさまざまですから、
毎日の記録も、優先順位を考え、記録していけばいいのです。
もちろん、こんな話をした後は、
経過記録を始めた方もあり、
その記録をみていくだけで、実際の食事の様子が垣間見れ、
そして客観的なアセスメント項目と照会しながら、プランの適正さについての
議論できるのではないかと思いました。