首都大学で、東京摂食・嚥下研究会にお邪魔してきました。
世話人には、都リハの武原先生をはじめ、初台の大熊先生、国際医療福祉大の柴本さん、
聖隷時代の恩師がたくさんいらっしゃいます。
「同窓会だね・・・」から始まった挨拶ですが、
世話人にはほかにも、戸原先生や歯科衛生士の溝越さんなどもおられ、
この中での講演はなかなか緊張します。
私は、「栄養管理と嚥下食、活用できていますか?」と題して、
事例を通して、栄養管理の必要性や、嚥下食つくりの手順を見せながら、
多職種がどんなときに、どんなふうに活用していったらいいのかをお話しました。
講演後の一般演題では、3演題が発表され、
中でも、80歳代の胃瘻+経口摂取を選択したという、
認定看護師の発表は素晴らしいものでした。
この事例では、加齢による嚥下障害があり、
ある程度嚥下機能は改善しても易疲労性のために、
食事摂取が十分進まず、患者さんん自身が
「食事が苦痛だ、こんなにつらいなら食べなくてもいい」
と言われたことをきっかけに、あえて胃瘻を選択し、
好きなパンケーキなどを少量楽しむようになったとのことでした。
評価や介入の中で、とかく「機能が改善したから、栄養があるものを・・・」
と食事を進めてしまいがちですが、
彼にとって、食事は栄養摂取の手段より「楽しみ」でありたかった、ということ。
そして、その想いをくみ、接したその看護は素晴らしいものでした。
『胃瘻があるから、食べられる・・・』
みんながこんな医療を提供できれば、逆に必要のない胃瘻も減っていくはず・・
そう思いながら、聞かせていただきました。