90歳代のある女性。
訳あって、NGチューブが入っており、経管栄養が行われています。
入院中は口から食べることもなかったようですが、
退院後は体力もつき、発語も出て、表情もよくなっています。
嚥下障害となっている原因は、脳卒中などの疾患ではなく、
加齢によるものと廃用性の機能低下。
認知機能の低下もあり、口から十分栄養補給を行うことは困難です。
口からは食べられそうだと医師からの依頼で訪問を開始しました。
初回、2回は、
「人前で食べるなんて!」
「後で食べるから結構です!」
と厳しい一言。
明治のひとは、なかなか手ごわい。
なかなか目の前でテストフードを食べていただくこともできず、
時間だけが過ぎていきます。
しかし、3回目からは、少し慣れていただけたのか、
穏やかに、コミュニケーションがとれるようになりました。
「おしるこ食べたい」
「メロン、おいしいねぇ」
先日は、少量ですが、
粥やスクランブルエッグ、などを食べるようになり、
介護者は
『普段なら不安で食べられそうにないものを準備しています。
栄養士さんが来ることで、いろいろ試すことが出来て、
しかも本人が喜んで食べてくれるようになり、嬉しいです。』
との言葉をいただきました。
正直、介護者も私も初回・2回の様子をみていると、
この先どうなることかと思えるくらい、かなり頑固な感じでしたが、
今では、顔をくしゃくしゃにして「美味しい」と言ってくださるようになりました。
この一言が、介護者の元気の源になるんですよね。