ある医療法人グループの栄養部会の合同研修会に呼んでいただき、
「栄養士にできる嚥下機能評価と訓練」
というタイトルで、お話ししてきました。
参加者は、管理栄養士・栄養士を中心に約50名ほど。
病院や施設に勤務されている方々です。
講義の最初で、
『知っていてやらないことと、知らなくてやらないことは違う!』
とお伝えし、栄養士も他職種からの評価を情報として単に受けるだけではなく、
自分なりの評価をしたうえで、食形態やとろみの使い方を変更していくことをお話しました。
演習では、嚥下の「見える化」に始まり、
クッキーを食べながら食べるプロセスについて体験していただきました。
聞くこととやってみることは全然違います。
さらに、人の前で話をしようとすれば、その内容をしっかり理解していなければなりません。
厨房で、調理師さんたちになぜミキサーにかける必要があるのか、
なぜとろみが必要なのか、なぜきざみ食がだめなのか
と説明するためには、管理栄養士自身がしっかりと理解していなければならないことです。
参加者の多くは、病院や施設にお勤めの方だったため、
嚥下に関する研修にはもうすでに何度か参加したことがあるかな、と思っていましたが、
意外にもほとんど参加した経験はなく、
この研修は新鮮に受け取っていただけたようです。
最後に、主催者側の代表から
「いろいろな情報があり、いかに自分たちが普段何も考えずに食べているんだと認識しました。
ただ食形態変更を受けて業務をこなすのではなく、
いろいろな患者さんの食べている様子をみていかないと、
根本的な解決には至らないのだと感じました。
課題は多くて、頭を整理しなければなりませんが、・・・・・
今ほんとに、・・・『やばい・・』って感じです」
今日の研修では、ほんの触りしかお話しできず、
普段患者さんや利用者さんにあまり接していない栄養士さんであれば、
イメージもできないこともあったのではないかと思います。
それでも、危機感を持ち、明日につなげようと思ってくださったことに感謝し、
今後に期待したいと思います。